引用元:あべのアポロシネマ公式サイト(https://www.kin-ei.co.jp/cgi-bin/pc/ttl/det.cgi?ttc=20062603&showing_flag=1)
スタローン大老の最新作、『ランボー5 ラストブラッド』観てきました。
ホントは公開日に観たかったけど、色々あって結局二日遅れて鑑賞。以下ネタバレ満載なので要注意。
ほぼ予告編通りの内容です。
日本版の宣伝で「史上最高の頭脳戦!」みたいな売り出し方されてますが、もちろん全くそういう映画ではありません。
敵の脳みそが飛び散るという意味では確かに頭脳戦ではありますが。
*本記事で使用する画像はすべてこの予告編のものです。
冒頭の洪水の山での救出シーン。あれはいったい何を描きたかったのか良く分からないけれども、地元警察に頼りにされてるあたり、一作目での扱いを考えるとなんか感慨深い。
前作『最後の戦場』でミャンマーの悪徳将軍の腸を引きずり出し、故郷に帰ってきたジョン・ランボー。
今は何してるかというと養子縁組でメキシコ系の妻&娘と共に新たな家庭を築き、シリーズ当初から彼の心を蝕む戦争後遺症から立ち直ろうとしていた・・・・
と思いきや、10年間一人で地下壕を掘っている、家があるのに何故か地下で寝泊まり&薬が手放せないなど、戦争の傷はまったく癒えるどころかむしろ悪化しているとしか言えない様相なのであった。
この地下壕もただ暇だから掘ってたわけではなく、明らかにベトナム戦争でゲリラ軍が使ってたトンネルを再現してると思われる。どんだけ病んでんだランボー・・・
そんなある日、娘が本当の父に会いにメキシコに行きたいと言い出す。
父が極めつけのウンコ野郎であることを知っているランボー&マリアは
「一度悪に落ちた奴の心はずっと黒いままだ」
といって許可しない。
が、「絶対こいつメキシコ行くだろwww」と劇場の誰もが思っていた(たぶんランボー自身も薄々思ってた)通り、父に会いにこっそりメキシコへと向かう娘なのであった。
娘はかつてランボーとも会ったことがあるジゼルというメキシコの友達の手引きで父親に会うが、父親は「お前らといるのは時間の無駄だと思ったから捨てた」「お前なんか欲しくもなかった。(死んだ母に対して)お荷物を残して死にやがって・・・」と『ヘレディタリー』の母親もビックリするような暴言を笑顔で言ってくる。
ランボーが言ってた「心は黒いまま」の意味を理解した娘なのであった。
悲しみに暮れる娘をクラブへと連れ出す旧友ジゼル。しかしこいつもまた心の黒い奴で、娘は人身売買カルテルに売り飛ばされてしまう。
娘がメキシコに行ったきり消息不明になったことを知ったランボーは怒りの越境!クズ父に両手壁ドン、ジゼルにナイフ机ドンをかました後、誘拐の実行犯を見つけ出しいきなりナイフで刺す&素手で鎖骨を折って皮から引きずり出すというどうかしている拷問で敵のアジトを聞き出す。
しかし元グリーンベレーとは思えない雑な偵察のせいでカルテルに見つかってリンチされ、ボロボロになるランボー。
死にそうになるが、クラブからずっとついてきてた、ランボーを蘇生するためだけに登場するご都合主義な記者カルメンによって助けられる。
都合の良すぎる展開は今まで散々見てきたが、ここまであからさまだと逆に清々しい。
すっかり復活したランボーは娘が働かされてる売春宿に単身乗り込み、ハンマーで従業員と客全員の顔や金玉を破壊する。
娘を取り戻したランボーは急いで家に戻るが途中で娘がオーバードーズにより死んでしまう。
その車内での最期の会話が結構心にクるというか、これまでのランボーシリーズを嚙み締めると、とてもつらい。
ランボーは娘に「もう終わったんだ。悪夢は忘れて、今までのように暮らそう」と励ますが、地獄を忘れて今までのように暮らすことなんて到底不可能であることは、ベトナム戦争から50年近く経った今でもPTSDに苦しむランボー自身が一番分かっているはず。
この後ランボーがブチギレてカルテルを大虐殺するのも無理はないくらい、彼にとっては希望の光、大切な存在だったことが伝わってくる。
ここまでは物語の前半・メキシコでのアウェー戦。そしてここからランボーの怒りのホーム戦(いろんな意味で)が幕を上げる。
手始めに悪の親玉マルティネス兄弟のナンバー2、マルティネス弟を殺害して首をちょん切り宣戦布告。
カルメン記者に言ったセリフ曰く「死が近づいていることを思い知らせたい。そしてその死が避けられないものであると理解させたい」らしいです
ケンカを売られて黙っているわけにはいかないマルティネス兄はカルテルを引き連れてこちらも怒りの越境!ランボーも事前に準備しておいたトラップハウス(というかトラップトンネル)で迎え撃つ!
ここからランボー版ホームアローンが始まるわけですが、このトラップハウスがスゴイ。
まったく生かす気のない無慈悲な殺人トラップがこれでもかというほど登場!。
人身売買カルテルがかなり胸糞悪い描かれかたをしてた分、ランボーが放つ暴力の洪水に為すすべなく文字通り「散」っていく姿にはカタルシスを感じます。
あまりにもトラップの出来がいいもんだからマルティネス兄の周りの奴がほぼほぼ散っていよいよ最終決戦!ってときに援軍(てか生き残り)が出てきたときは嬉しくてガッツポーズしてしまいましたよ。(またトラップに引っかかってバラバラになるところが観れる!やったー!)
で、最後まで残った悪の源、マルティネス兄。
ランボーは彼に「死が近づいていることを思い知らせたい。そしてその死が避けられないものであると理解させたい」ので、殺せるのにわざと最後まで生かしています。
ランボー「俺の怒りを思い知れ!俺の憎しみ・・(中略)・・・心臓を引きずり出してやる!」
ひと通りキレた後、「脱出したければ、明かりを頼りに走り続けろ」とジグソウみたいなことを言うランボー。
直後にトンネルが大爆破。
なんとか爆発から逃れたものの、マルティネス兄は完全にケンカを売る相手を間違えたことを悟るのだった。殺気を感じて振り返ると、そこには弓を構えたランボーが・・・
両手足に矢を一本ずつ打ち込まれ、昆虫の標本みたいになってるマルティネス兄。
ランボーは予告した通り生きたまま心臓を引きずり出し、娘の仇を討ったのであった・・・
おしまい
メキシコ
この映画を観ていて気になったこと。
そんな簡単にメキシコ行けるの?
なんかランボーも娘も「大阪から車で和歌山行く」くらいの感じで越境してるけど、そんな簡単に国を跨げるもんなのか。
島国に暮らす身としては陸で国境を超えるのがどんな感じなのかイマイチわかっていないので、
え・・・そんな自由に米←→メキシコ間を行き来できるの・・・と思いながら観てました。
ほら、今って壁がどうこうって問題があるじゃないですか。そんな簡単に行ったり来たりできないと思うんですよね。
娘を探しに行く、マルティネス弟を殺しにいく、とランボーは劇中で少なくとも2回はメキシコ遠征してます。
スタローン主演『ホームアローン』
この映画の一番の見どころはやっぱりトラップハウスでカルテルを迎え撃つところ。
凝りに凝った殺人トラップがこれでもかとばかりに炸裂します。
農場大爆発、ドアを開けたらボーガン、ガソリンシャワー→爆破に始まりトンネル内ではブービートラップ、天井クレイモア、ワイヤーに引っかかったらトゲが降ってくる、隠し扉から足を切断、隠し穴から棒で突くなど痛そうすぎるトラップが満載。
『ホームアローン』のケビン君が見たら喜ぶでしょう。
マシンガンなど最新の武器は使わず弓、投げナイフ(かっこいい!)、マチェット、短くしたダブルバレルショットガンなど割とレトロな武器で戦うのも性癖に刺さる。
途中でチラッとでてきたマグネシウム、何に使うのかと思ったらまさかの火炎散弾。これは劇中イチかっこいい殺し方でした。
あと、地下壕の中で戦ってるので銃声がエグい。この反響マシマシな銃声を大音響で聞けるってだけでも映画館で観る価値があります。敵の体が四散する映像と相まって、今年イチ気持ちよかったかも。
グロ要素
前作でのグロ強化・人体破壊路線は今作でさらにパワーアップ。
ナイフで顔をえぐられるシーンや鎖骨剝き出し、首ちょん切り、ゼロ距離ヘッドショット&顔面四散、トゲが顔に刺さるなど見てるだけでこっちも痛くなってくるシーンがかなりあります。
あとあれですね。最後の心臓摘出シーン。途中の「心臓を引きずり出してやる!」のセリフ、脅し文句っていうか怒り具合を表す比喩だと思ってたら最後ほんとに心臓えぐりだしたもんだから思わず笑ってしまいそうになりました。
というわけで見どころ満載な『ランボー/ラストブラッド』。
たぶん半年くらいでネトフリ・Amazon・U-NEXTあたりに出てくるけど、ぜひ映画館で見てほしい!
過去作は未見でも楽しめるけど、観てたらより感情移入できる。特に1作目。
グロ耐性がない人はグロに走り始めた『ランボー/最後の戦場』で耐性をつけておきましょう。